節電は誰のため?


震災関係のエントリーは前回以外に書く予定はなかったのだけれど、
テレビを見ているともやもやすることがあるので、自戒も含め記録しておきます。



節電は東北の被災地のためにしているのではない。
関東圏で使用する電力が不足しているから、節電・計画停電をして突然の停電を防いでいる。
電力に余力が出来たとしても、それが東北の被災地に送られるわけではない。
節電をするのは、自分のため。大好きな人や隣の人が突然の暗闇に襲われないため。
東北の為じゃない。関東圏に住む、自分たちのため。


ちゃんと理解している人からすれば、何を今更なことだと思うのですが、
まだまだ正しく認識していない人はいるような気がします。
テレビのインタビューとかを見ていても、
「今(被災地のために)自分たちができる事は募金と節電」といった言葉をよく聞くように思います。
『被災地のために』を除けば言葉としては正しいのだけれど、
まだまだそこには『被災地のために』という印象が見え隠れするように感じます。


ここのところ、テレビでも「募金・節電・買いだめしない」みたいなことを伝えていますが
何故節電しなきゃいけないのかという部分の説明はあまりされてないんじゃないでしょうか。*1
だからか、節電するのは関東圏の自分たちのためなのに、
どうしても当事者意識が抜けているように感じられる部分があります。
だからこそ、計画停電通りに停電にならなかったら逆に怒ったりする人がでてくるんじゃないかと…。


あと、関東での節電や計画停電が持ち上がってから、
他地域でも「自分たちも節電しよう!」「それは意味がない!」みたいな論議が交わされてますが、
関東での電力が通常の必要量を用意できないから、
関東圏内でみんなで分け合うことが必要な状態だということが正しく理解されれば、
今回の関東での電力不足に関して、他地域での節電が直接効果的でないということも自ずと理解されるのでは。*2



まぁそんなわけで、節電は自分のためにやっているのだということを常々忘れずにしたいなと思います。*3
分かっていたことではありますが、節電はこれからかなり長期的に必要となる見通しのようですし。
そして、現在計画停電対象地域となっている方々には頭が下がるばかりです。
私は自宅も職場も対象外地域のため、そう言った意味ではほぼ日常生活が送れている状態なので
より一層気を引き締めて節電を意識していかねばいけないな、と思います。



とはいえ、私も少し前まで当事者意識に欠けていたことは否めません。
ただ、mixiで友人の友人*4の日記に書かれていた内容と、
引用されていたブログの文章を読んで、色々と考える部分がありました。


引用されていたブログを探したのですが、ソース元を見つけられず…本当はリンクがいいのでしょうが、
少しでも多くの人に読んで頂きたいと思ったので、下記に転載させて頂きます。
3/18の日記に引用されていたので、それ以前に書かれた内容になると思います。

東京電力福島第一・第二原子力発電所。福島県の浜通りに位置しています。


東北電力ではないことに注目してください。


福島県の浜通りには東京電力の発電所がこのほかに「広野火力発電所」があります。
この地域で発電された電気は、全て関東へ運ばれ、首都圏の方々が利用します。
一切地元ではこの発電所で作られた電気は利用されていません。
首都圏の電気の3分の1は福島県で作られている現実をもっと報道してください。


計画停電が首都圏で実施されていて、
文句を言っていたり「被災地に電気を送るためだから我慢します」と言っているインタビューを良く見受けますが、
何見当違いの事を言っているのですか?


東京電力が計画停電を行っているのは、首都圏の消費電力より供給電力が下回りそうだから
突然停電を避けるために予め時間と区域を決めて停電を行っているのです。
首都圏で節電してこちらに電気が送られるなら、何故東北電力まで計画停電を行わなければならないのでしょう?


自分のところの電気が足りなくなっているから自分らが我慢しているだけ、なんです。


この重要な2点をマスコミは何故報道しないのですか?
首都圏の人のために建設された発電所のために地元がこれだけ苦しんでいる現実を、何故広めようとしないのですか?


しかし、冷静になって考えてみると、地元にも雇用や補助金で還元されてきた面はあり、その点は感謝します。
でも、マスコミは「福島は危険」「放射線は身体に悪影響」しか報道されていない節があります。
後付で「このレベルでは身体に害はありません」と言うだけ。パニックを抑えるなら言う順序が逆では?
「放射線の数値が通常より若干高い値を示していますが、体に影響のある数値ではありません。各地の数値は〜」と言うのが報道の仕事ではないのでしょうか?


はじめに断っておきます。
首都圏の方々を敵視しているわけでも、悪いと糾弾するつもりも毛頭ありません。
でも、あまりにも酷すぎる。


首都圏で「放射線が怖いからカッパを買いました」「マスクを買いました」「とろろ昆布を買いだめしました」と言っている方がTVに映っていました。
放射線が怖い?何キロ離れてるの?じゃぁ私達福島県民はどうしたらいいの?
あなたがたが今まで40年利用してきた電気を作っていた発電所を作ったために
こういったことが起こったって事はご存知なんですか?
いつでも逃げられるようにガソリンを買いだめ?
私達福島県民は逃げたくても逃げられないんです。
首都圏の方々のせいとは言いませんが、ガソリンがないため逃げられないんです。
もっと言えば、ガソリンや軽油がないので救急車もバスも、救援物資を運んだトラックも動かない。灯油がないから暖もとれない。
仮に救援物資を運んだトラックが近くまできても「放射線が〜」で引き返している現状です。
それが現状です。


現在観測されている放射線数値は人体に全く問題のない数値です。
X線やレントゲン、温泉の方がよっぽど高い数値を示しています。


仮にこのまま何もなかった、普通の生活に戻った、としましょう。
今度は風評被害が間違いなく起こります。


福島県出身です。っていうだけで「放射線は大丈夫?」って思わないでください。
福島県出身の女の子だからって、子供を生む時は大丈夫なの?って思わないでください。
福島県産の野菜はとても美味しいです。
福島県産の果物もとても美味しいです。
福島県産のお米もとても美味しいです。
お肉も、魚も、みんなが頑張って作ったりとったりしたものです。


でも、福島県産、ってだけで毛嫌いしないでください。


他の自治体や国はしっかりこの点も含めて被災地の復興をバックアップしていただきたいと思います。
復興には人の力がどうしても必要です。一日でも早く復興するためには皆さんの力が必要なんです。
物資の援助もお願いしたいですが、このことも是非頭に入れておいてください。お願いします。



最後まで読んでくれた方、ありがとうございました。
「東京の電気の3分の1は、福島原発で作ってるんだよ」そんな軽い会話で十分です、もしよかったら広めてください。
それだけでもわたしはすごく嬉しいので。よろしくお願いします。


HITOSHIさんブログより一部抜粋

*1:全国放送のテレビで関東圏にむけてだけを話すのは難しいのかもしれないですが

*2:あと送電に関する知識も少しは必要かもだけど

*3:人のための方が動機付けは大きいのかもしれないけれど。そういう人は関東圏に住む大事な人のためと思えばよし!

*4:実家が福島で地震後駆けつけたとのこと